氏名: 鬼頭 武司 (m05763)
論文題目: Windsurfer Approach におけるモデルの同定精度の向上に関する考察
論文概要
近年、新しい適応制御の一手法として Windusurfer Approach (以下 W.A.)が提
案されている。これは、閉ループ系の帯域幅を広げるために、Hansenの手法を用
いたモデルの同定と補償器の設計を繰り返す方法である。この手法においてモデ
ルの同定精度は、閉ループ系が達成できる制御性能に影響をもたらす。そこで、
本研究は主にW.A.で用いられている同定法に焦点を当て、同定精度の向上に関す
る考察を行なったものである。同定精度の向上に関して、まず、W.A.における
システム同定の本来の評価を考え、W.A.の制御系設計に適した同定の手法として
本研究では繰り返し同定を行なう立場をとった。Hansenの手法をもちいて同定を
行なった場合においても繰り返し同定を実行することにより、モデルの評価を正
しく行い、モデルの精度を検証できる手法を構成した。次に、W.A.で設計される
補償器の構造をより一般的に捉えることにより、Hansenの同定法における同定の
評価を変えることなく、同定の対象となる部分を変形させることを可能にした。
このことから、同定の条件が変化し、モデルの同定精度も変化することが予想さ
れる。実際の同定では、同定の条件が異なるようなものに対してそれぞれ同定を
行ない最良の同定精度を持つ結果を同定モデルとして選択する手法を提案した。
最後に、以上の提案を離散時間系のデルタオペレータを用いてアルゴリズム化を
おこない、シミュレーションによりその効果を確認し、W.A.で用いられる補償器の
弱点を指摘した。
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