本研究では，Volume Rendering法における領域指定法を仮想化内視鏡システムに組 み込み，実験を行い，入力時間と指定された領域の精度について定量的評価を行っ た．
Volume Rendering法を用いて出力される画像には半透明処理が行われるため，ユー ザが指定した点に対応する３次元位置を直接求めることは困難である．視点から投影 面上の2次元指定点を通るレイ上で最大積算不透明度を持つ点を，出力される画像の 生成に最も大きく影響する点と見なし，3次元指定点とする領域指定法を仮想化内視 鏡システムに組み込み，人工図形を対象として実験を行った．
領域指定法には点・線・面・塊指定があり，
(1)ユーザにより領域指定法を用いて求められる領域
(2)ユーザによりスライス表示上で入力される領域
(3)計算により求められる領域
(3)を理想の領域として，(1)と(3)，(2)と(3)を各指定法について比較し，入力時間
と指定された領域の精度について定量的な評価を行った．領域指定法を用いたとき，
概ね良好な領域を短時間で指定できることを確認した．