本研究では、気管支枝名自動対応付けシステムに対する ユーザインタフェースの適用についての検討を行う。 これまで、3次元CT像より抽出した気管支領域の各枝に対し、その 解剖学的名称の自動対応付けを行う手順の開発がなされてきた。 対応付け結果は仮想化内視鏡システムに適用することで教材として 利用されている。
従来手法ではまず、気管支領域の細線化データを入力とし、その各枝の 分岐を気管を根とする木構造として解析する。次に一般的な枝の 位置情報を記述した知識ベースを元に気管支構造モデルを作成、 解析した分岐構造とモデルで枝の親子関係・方向などを比較することにより 各枝に最適な枝名を決定する。しかしこの手法では、知識ベースに 含まれない分岐構造、細線化時に発生した偽枝を含む分岐構造に対し 正確な対応付けが行われない。これによる誤認識の例は多く、 対応付け結果の教材としての利用の際に問題となる。
そこで本研究では、ユーザによる修正機能の追加を実現することにより その解決を図る。具体的には、ユーザの操作により誤認識部分の枝名の 指定を可能とし、その枝において木構造を分割、別々に対応付け処理を行う。 また、仮想化内視鏡システムを利用した画面表示機能を実装し、 枝の位置関係と対応付け状況を提示する。 その結果、ユーザによる問題部分の特定と解決が行え効率的な 対応付けが可能となった。